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捕鯨に関する決議・宣言


伝統捕鯨に関する下関宣言

<前文>

  平成17年(2005年)5月15日(日),第4回伝統捕鯨地域サミットが山口県下関市で開催され,伝統捕鯨を行っていた地域をはじめ,日本各地から1,200名の人たちが参加しました。

下関市は,古式捕鯨の有力基地・長門と隣り合い,この地域に根ざす捕鯨文化を背景に近代捕鯨の基地として発展し,特に南氷洋捕鯨の拠点であり,捕鯨船団発着の基地として栄えたところです。そもそも下関とクジラとの関わりはさらに古く,弥生時代の吉母浜遺跡からクジラの骨を使ったへら状骨器(アワビオコシ)が出土していますし,源平の時代には壇ノ浦の合戦においてイルカの泳ぐ方向で平家が武運を占ったという逸話もあります。下関がクジラ製品流通の拠点として栄えるようになったのは,江戸時代以降です。また,現代でも下関市は,ふく,ウニ,アンコウ,そしてクジラの町として発展を模索しており,1998年からは日本の南氷洋鯨類調査船団の出港地になっています。平成14年(2002年)には第54回国際捕鯨委員会の年次総会が開催されました。近年90年ぶりに発見された新種のクジラは市内の角島にちなんでツノシマクジラと命名されました。このような場所で,第4回の日本伝統捕鯨地域サミットが開催されましたことは,大変慶ばしいことです。

サミットは,伝統捕鯨とそれに根ざした地域の生活・風土について学ぶことができる得がたい機会となっております。さらに,新しい時代の捕鯨について考えることができる貴重な機会でもあります。またサミットは,回を重ねることによって,伝統捕鯨地域間の交流を活発化させるとともに,捕鯨と漁業に根ざした地方の人たちと,都市部で生活する人たちとが交流する機会も提供しています。

今回のサミットにおいては,地元の平家踊り音頭(くじら唄)やミュージカル「Dreamer 南氷洋に夢を託した船乗りの物語」が披露され,参加者の感銘を呼びました。地域に根ざした捕鯨の歴史と伝統を次世代に受け継ぐ活動を進め,実現している人々に敬意を表します。

また,今回のサミットにおいては,特に「南氷洋捕鯨」について,参加者は以下のことを学びました。
 
・昨年2004年は,南氷洋で捕鯨が開始されてから100周年,日本が南氷洋捕鯨に初出漁してから70周年でした。
 
・日本の南氷洋捕鯨は単独で発展したのではなく,沿岸捕鯨の歴史の延長線上に,その伝統,精神,技術を発展させることによって成立しました。
 
*主に西日本で花開いた近世の伝統捕鯨は,一方では北日本沿岸へ,もう一方では南氷洋へと二方向に拡大しました。
 
*南氷洋捕鯨の乗組員の多くが古くからの伝統捕鯨地域出身者でした。また,南氷洋捕鯨と沿岸捕鯨で相互に雇用・技術の交流もありました。
 
・近世に形成された日本捕鯨文化の原型は南氷洋捕鯨にも脈々と受け継がれ,西洋の南氷洋捕鯨とは違った日本独自のものを形成していました。
 
*クジラを完全に利用し尽くす価値観と技術は南氷洋捕鯨にも生きていました。
 
*船団構成や船の内部構造も西洋と日本では違っていました。これは鯨油生産のみを目的とする西洋の南氷洋捕鯨と,食料生産を主目的とする日本の場合の違いです。
 
*解体加工には特に顕著に日本捕鯨の独自性が現れていました。
 
・しかしながら,日本の南氷洋捕鯨は,産業としては小規模な沿岸の伝統捕鯨とは大きく異なり,国際競争の荒波の中で生じた問題と闘い,克服しながら発展してきたという独自の歴史もありました。

<主文>

以上に鑑み,平成17年(2005年)5月15日,クジラ利用の文化を培う山口県下関市における「第4回伝統捕鯨地域サミット」に集った私たちは,次のように宣言します。

    日本捕鯨への誇り

  1. サミット参加者は皆,日本の伝統捕鯨文化の担い手であることの自覚を一層強め,互いに連携を強めていきます。伝統捕鯨地域の人々だけでなく,それ以外の地域,特に都市部の人々もこの自覚を再確認します。
     
  2. 各地の自然と風土に根ざした伝統ある捕鯨文化を尊重し,将来にわたって受け継いで行きます。
     
  3. 日本捕鯨の歴史と文化に関する次世代への教育の重要性を再確認します。
     
  4. 持続的捕鯨の推進

  5. 鯨体の完全利用という伝統捕鯨の真髄を継承する持続的捕鯨を継続させ,さらに発展させることを目指します。
     
  6. 日本捕鯨の伝統を受け継ぎ,貴重な知識や技術伝承の場となっている小型捕鯨業,追い込み漁,鯨類捕獲調査を支持します。
     
  7. 捕鯨とそれ以外の漁業が共に持続的に発展できるよう,伝統に学び,生態系管理に一層努めます。
     
  8. 捕鯨の歴史と文化研究の推進

  9. 捕鯨及び鯨類利用に関する歴史と伝統の再発見・再評価が,特に以下の分野において一層進められることを強く支持します。
     
    (ア) 近世以降の代表的捕鯨地域以外の地域(とりわけ都市部と東日本地域)の研究
     
    (イ) 地域史と漁撈活動史を踏まえそしてその枠を超えた,日本捕鯨文化の総合的研究
     
    (ウ) 世界史的視野の中での日本捕鯨の検証
     
    (エ) 捕鯨文化の多様性と比較研究

     
  10. 過去のサミット宣言の再確認

  11. 以下の第1回〜3回日本伝統捕鯨地域サミットが採択した宣言を支持し,その内容を改めて強調します。
     
    (ア) 「伝統捕鯨に関する長門宣言」 平成14年(2002年)
     
    (イ) 「伝統捕鯨に関する生月宣言」 平成15年(2003年)
     
    (ウ) 「伝統捕鯨に関する室戸宣言」 平成16年(2004年)

     
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